大気への排出
KPI
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項目
排出温室効果ガス量
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2014年度実績
- Scope1
- 334千トン
- Scope2
- 351千トン
- Scope3
- 30,844千トン
責任部門
各拠点
※活動は各拠点が実施、方針や活動施策は地球温暖化委員会、化学物質管理委員会などで方向付けを行っています。
考え方・目標
なぜ「大気への排出」が重要取り組み項目なのか。
理由と背景の解説
私たちは、資源を使ってタイヤ・ホース・ベルトなどの多様なゴム製品を製造し、販売しています。また、接着剤やシーラントなどの化成品も取り扱っています。特にその製造工程、および使用段階における「大気への排出」を低減することは、地球温暖化や環境汚染の防止につながるほか、各拠点で継続的に操業していくために重要な取り組みと認識しています。
大気への排出に関する方針および考え方
横浜ゴムグループは、「環境GD100」「横浜ゴム全社環境方針」「横浜ゴムグループ行動指針」にのっとり、製品・サービスの提供における地球環境への負荷の最小化を図ります。
そのため、環境技術の開発・導入を進めるとともに、製品・サービスの提供にかかわる方々との協働して、バリューチェーン全体で大気への排出の削減を推進します。
私たちは、大気への排出に関する国際的な協定、各国の規制(日本では、省エネ法、地球温暖化対策法(温対法)など)や日本ゴム工業会などの関係団体の規制対応方針に従うとともに、より厳しい自主基準を定め、大気への排出を抑制します。
温室効果ガスの排出に関する横浜ゴムグループのリスクとチャンス
リスク
排出量削減のための設備投資費用の増加、再生可能エネルギーなどの使用にかかるエネルギーコストの増加、温暖化による労働環境の悪化と対策のための投資費用の増加があります。
チャンス
大気への排出を削減することにより、操業にかかるエネルギー効率の向上、操業地域の環境保全、保温材などの外部提供による社会貢献に寄与しています。温室効果ガスだけではなく、揮発性有機化合物(VOC)や大気汚染物質の排出を抑制することは、環境関連投資のコストを下げることができるため、製品製造コストの削減につながります。
オフセットの使用
オフセットは使用しておりません。
目指す姿(達成像)/目標
「大気への排出」に関して国際的に規制が厳しくなる中で、いわゆる先進国の規制基準の達成を原則としています。
横浜ゴムグループは、エネルギー消費量の削減指標として「温室効果ガス(GHG)排出量」の総量削減に取り組んでいます。
- 長期目標:
2050年までに、当社グループのバリューチェーン全体で排出するCO2総量を、基準年(2005年度)比で50%以上削減する - 中期目標:
2030年までに、当社グループのバリューチェーン全体での売上高当たりCO2排出原単位を、基準年(2005年度)比で40%以上削減する
目指す姿に向けた施策
当社グループでは、生産活動および、研究開発、オフィスのすべてを通じて発生する環境負荷を監視・削減するために、以下の施策を実施しています。
- 法律や条令で定められている基準よりも、より厳しい自主管理基準を設定し、継続的なモニタリングの実施
- 法的要求のある測定結果については、行政および地域住民の方々へ定期的な報告の実施
- 生産プロセスの改善など、環境負荷低減に向けた活動の強化
使用エネルギーの転換、再生可能エネルギーの導入、保温断熱による排熱抑制、最新環境技術・システムの導入など - 環境汚染の未然防止
環境汚染リスクの抽出と改善、定期的な監視測定の実施など
2014年度の活動レビュー
大気汚染につながる事象発生はありませんでした。
NOxおよびSOxについては、排出濃度を管理し、法規制値は順守しています。自主基準値の超過もありませんでした。
オゾン層破壊物質の使用および排出はありません。ダイオキシンの発生もありません。
GHG排出量は、日本国内では▲1.6%でしたが、海外は生産拡大のため11%増加し、全体として増加しました。VOCs排出量は全体として▲5%となりました。
国内外グループの温室効果ガス排出量の推移
スコープ3の算定
2014年度のScope1-3は以下の通りです。また、Scope3の内訳を提示します。
2014年度の横浜ゴムの企業活動に伴って排出された温室効果ガス排出量(スコープ1+2)が685千トン-CO2、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量(スコープ1+2+3)が30,844千トン-CO2となりました。
スコープ3は98%を占め、その中で製品の使用が83%を占め、環境貢献商品・低燃費タイヤの普及に努めるとともに、取引先さまとも協働して、バリューチェーンにおけるGHG排出量の削減を推進します。
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Cat スコープ3の区分 排出量(千t-CO2) 1 購入物品・サービス 2,342 2 資本財 475 3 燃料・エネルギー 103 4 輸送・流通(上流) 148 5 廃棄物 2 6 出張 3 7 従業員の通勤 18 8 上流のリース資産 9 下流の輸送・流通 58 10 販売した製品の加工 5 11 製品の使用 26,155 12 製品の廃棄 1,467 13 下流のリース資産 0 14 フランチャイズ 15 投資 67 30,844
※1 スコープ1:企業自身が直接排出したGHG排出量(例:化石燃料・天然ガス等)
※2 スコープ2:企業自身が間接的に排出したGHG排出量(電力等)
※3 スコープ3:企業が間接的に排出するサプライチェーンでのGHG排出量(製造、輸送、出張、通勤等)
※4 算定は、「GHGプロトコル」が発行したスコープ3基準に沿って行いました
温室効果ガス(GHG)排出量の検証
GHG排出量算定データの信頼性確保のため、第三者機関による検証を受けました。
事例紹介
天然ガスへの燃料転換
ベトナム工場では、燃料の重油をCO2排出係数が低い天然ガスに転換してCO2排出量を削減しました。
ベトナム工場 天然ガスタンク
耐熱素材の保温材による省エネ改善
設備や配管の大きさに合わせた保温材の制作・取り付け作業を行っています。
2007年度から国内外拠点で蒸気配管周りに保温材の取り付けを進め、放熱量を抑える活動を進めてきました。2014年度も継続して蒸気配管周りに保温材を取り付け、断熱・保温の改善を実施しています。
配管の保温
省エネ技術検討会
毎年省エネ技術検討会を開催しています。省エネ法に対応したエネルギー管理、省エネ設備の導入や改善活動に効果を上げています。
省エネ技術検討会の様子
課題と今後の改善策
海外販売拠点などグローバルな大気排出量のデータ管理の徹底と、サプライチェーンとの協働で「大気への排出」の削減に取り組むことが課題です。