横浜ゴムの重要課題1地球環境のために

環境保全につながる商品を開発し、社会に広めることで、横浜ゴムは課題に取り組んでいきます。
青い地球と人を守るために、環境との調和を通じた持続可能な社会づくりに挑戦します
横浜ゴムの高圧水素ガス用ホースで
将来の水素エネルギー社会を支えたい
水素を燃料とする燃料電池車の本格的な市場展開が始まる「水素元年」となる2015年。排気ガスを一切出さず、エネルギー効率も高い燃料電池車は、究極のエコカーとして考えられており、そのインフラ整備のため、全国で水素ステーションの整備が急がれています。横浜ゴムでは燃料電池車への水素の充填に欠かせない高圧水素ガス用ホースの開発に取り組んできました。
現在、燃料電池自動車への充填圧力は「水素及び燃料電池の自動車に関する世界技術規則」の国内導入に伴い容器保安規則が改正され、国際基準と同等の87.5MPaでの水素充填が可能となり、これに対応するホースが求められています。横浜ゴムは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業を受けて、本87.5MPa 対応ホース開発のチーム体制を強化して取り組んでいます。
これまで横浜ゴムは、岩谷瓦斯(株)との共同研究のもと、ホースを高圧かつ水素ガスで使用するという新たな分野へ積極的に挑戦し、35MPa 対応ホース「ibar HG35」、および70MPa 対応ホース「ibar HG70」を開発してきました。現在は、そこで培ったホース設計技術や、実際の使用環境を想定した水素ガスを使用するホース評価技術、水素ステーション実証の知見を最大限に生かして、より高い安全性・信頼性を担保する87.5MPa 対応の水素ガス用ホースの開発を進めるほか、水素ステーションを運営する岩谷産業(株)との協働により、市場ニーズに即した開発体制を強化しています。
他社をリードする設計・評価技術で裏づけされた高圧水素ガス用ホースの開発で、水素エネルギー社会のインフラ構築への貢献を目指した挑戦が始まっています。
- 担当者のコメント
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エネルギー効率が高く温室効果ガスを発生しない水素は、将来必ず私たちの暮らしに欠かせない身近なエネルギーとなります。自動車以外にも家庭用の燃料電池としてすでに水素のエネルギー利用が進んでおり、用途が広がり続ける中だからこそ、どのような過酷な環境下でも安定的に使用できる水素ガス用ホースの開発は、横浜ゴムの使命です。低炭素なエネルギー供給を支える製品づくりで、地球温暖化という世界共通の課題解決に役立っていきたいというのが、私たちチーム全員が抱える思いです。
ホース配管技術部 石川 成明・遊佐 郁真・山口 尚志・大倉 美恵・水口 達哉
MB材料技術部 畑中 進 ホース配管販売部 鷲尾 秀秋
- 岩谷産業(株)ご担当者からのコメント
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水素・高圧・低温という3 つの厳しい要件を受けたホース開発には、極めて高い技術力が求められます。さまざまな壁に直面しても決して諦めず、一つひとつ課題を解決していく真面目さを横浜ゴムさんには感じています。ぜひ国内初となる87.5MPa対応ホースの実用化を成し遂げていただき、その仕様が世界標準として展開されていくことを期待します。水素については当社でも長年培ってきた知見がありますので、共に研究を続け、クリーンな水素エネルギー社会の実現を目指していければ嬉しく思います。
岩谷産業(株) 水素エネルギー部 供給システム担当 シニアマネージャー 広谷 龍一 氏