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中期経営計画「グランドデザイン100(GD100)」
最終段階のフェーズⅣを迎えて

創業100 周年を迎える2017年度に向けて、横浜ゴムが目指すのが「企業価値・市場地位において、独自の存在感を持つグローバルカンパニー」です。その実現に向けた中期経営計画「GD100」※1は、2015年度より集大成となるフェーズⅣ(2015~2017 年度)に入ります。
「強くしなやかな成長」を目指したフェーズⅢ(2012~ 2014 年度)の3年間は、世界でタイヤの生産体制を整備・増強してきました。これらを土台に、2015 年度はアメリカ、ヨーロッパ、中国、ロシアをはじめとする海外市場の開拓にいっそう注力していきます。ころがり抵抗を抑えつつ、高いウェットグリップ※2性能を備えた低燃費タイヤのラインナップは、当社の大きな強みです。これらを最大限に生かして各国での需要を取り込み、リプレイス(店頭販売)のみならず新車装着用の販売でも確実にシェアを伸ばしていきます。
環境性能の高い製品づくりは、もはや当たり前のことであり、これからはさらなる付加価値を提供していくことが欠かせません。自動車に乗る人が運転する喜びを感じ、「このタイヤで走ると快適で安心できる」と感じてもらえるような製品をさらに追求していきます。そのために、将来を見据えた研究開発への投資を積極的に進めます。さらに、タイヤという人の命にかかわる製品を作っていく上で、安全品質を守ることは絶対不可欠です。2014 年には欧州を中心に38カ国でBluEarth AE-01のリコールを実施することとなりました。安全品質に関する取り組みはやってもやりすぎることはありません。思い込みを捨て、事実を追求することで再発防止と発生源対策に徹底して取り組み、その反省を教訓に変えて生かしていく所存です。
円安や原材料費の変動、各国で揺れ動く経済情勢、新興メーカーの台頭など、私たちを取り巻く外部環境は激しく変化しています。マクロを捉える「鳥の目」、ミクロを見る「虫の目」とともに、トレンドをつかむ「魚の目」を意識し、さらなる成長へ挑んでいきます。

人を生かし、地域と共に歩み、グローバル展開を加速させる

グローバルな市場で事業を展開していく上では、それぞれの地域の特性を見極める必要があります。商慣習の違いを無視して日本的な考えを押しつけることはできません。各地域の文化を尊重しながら、必要なルールを敷いていくことが大切です。新拠点の開設などにあたっては、お互いの共通基盤をつくっていくために国連グローバル・コンパクト※3やISO26000※4がベースになります。調達においてもISO9001※5やISO14001※6を取得した取引先からの購買を徹底します。国際標準に対応していない取引先との事業活動が必要な場合は、当社が責任をもって監査を行うことが求められるでしょう。また、契約と支払いをリンクさせた会計システムを整備し、コンプライアンス※7上の不正が起こる余地をなくしていく ことも重要です。
業務のシステム化・効率化にも、引き続き取り組んでいきます。人事や財務はもちろん、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関するグローバルデータを一元化していくことは、海外展開を加速していく上で喫緊の課題となっています。さらに、属人的な仕事を可能な限りなくしていきます。付加価値を生まない作業はできるだけ自動化し、お客さまへの対応などの大切なことに時間を使うようシフトしていきます。
私は、すべての企業活動の源泉となるのは、究極的には「人」そのものだと考えています。安全・環境・品質・コンプライアンスなどさまざまな活動を通した人づくりが大事であり、人が成長する過程でこそ優れた製品が生まれます。目指すのは、従業員一人一人が働くことに意義を感じられる会社、「横浜ゴムの人は、優秀で信頼できる」と言われる会社です。特にグローバルな事業拡大を続けていくにあたっては、国籍や文化、宗教の違いを超えて、多様性を認め合いながら共に歩んでいけるような企業風土をつくらなければなりません。流動性の高い、国を越えたリーダー育成にも注力します。

横浜ゴムらしさを追求し、企業価値を高め
横浜ゴムの重要課題に取り組んでいく

2014 年度には、横浜ゴムがグループで優先的に取り組むべき「全社重要課題」をステークホルダー※8ごとに設定し、それぞれに具体的な活動項目を定めました。これは、地球環境・地域社会・お客さま・株主/投資家、取引先、従業員という各ステークホルダーに関する重要課題であり、GD100 の中で確実に果たしていかなければなりません。GD100 の最終フェーズを迎えた2015年度は、次の100 年に向けた布石を打っていくべき年でもあります。最小限の資源とエネルギーで最高品質のモノをつくり世に送り出していくことは、メーカーの使命として、この先ますます求められるようになるでしょう。また、すでに一部の工場がその土地の道路事情に合わせたタイヤづくりを行っているように、地域のニーズに応えていくことも欠かせません。各拠点が独自性を発揮し、それぞれの地域で愛されるような事業展開を目指します。
今後も、あらゆる面でお客さま志向を強化し、グループの総力を結集した「横浜ゴムらしいモノづくり」を推進していきます。確固たるブランド価値を築き、社会になくてはならない企業として存在感を示し続けます。

※1 中期経営計画「GD100」 :
横浜ゴムグループが2006年度からスタートさせた中期経営計画「グランドデザイン100」。創業100周年にあたる2017年度までの12年間を4つの期間に分け、2015年度から2017年度のフェーズⅣはGD100の集大成

※2 ウェットグリップ :
タイヤが地面を捉える力で濡れた路面での制動力を指す。自動車の走行時、回転するタイヤにかかる進行方向と逆向きの抵抗力「ころがり抵抗」とともに、低燃費タイヤを実現する大きなポイントとなっている

※3 国連グローバル・コンパクト :
各企業が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みづくりに参加する自発的な取り組み

※4 ISO26000 :
ISO(国際標準化機構)によって発行された、企業など組織の社会的責任に関する手引き

※5 ISO9001 :
ISOによって発行された品質マネジメントシステムに関する要求事項を規定した国際規格

※6 ISO14001 :
ISOによって発行された環境マネジメントシステムに関する要求事項を規定した国際規格

※7 コンプライアンス :
法令・社会規範を順守すること

※8 ステークホルダー :
民間企業など、あらゆる組織が活動を行う上でかかわる個人・団体、利害関係者